2009/10/09

ドゥームズデイ

 治療薬のないウイルスが蔓延した世界を描くアクション・サスペンス作品。
 2035年のロンドン。25年前に隔離したはずのウイルスが再発生し、都市は壊滅状態になろうとしている。治療薬を求めて、隔離地域に部隊を送り込む政府。そこで出会ったのは...
 予備知識なしの鑑賞だったので、ウイルスに冒された世界をシリアスに描いた作品であると思い込んでいたので、途中からビックリ。無茶苦茶、荒唐無稽、支離滅裂。ただただ唖然。
 ブラッディで独特な世界観を理解すれば、これはこれで楽しめる。小難しいことを考えずに楽しむのが吉。
ドゥームズデイ
映画日記

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2009/10/02

サブウェイ123 激突

 「サブウェイ・パニック」をリメイクした演技派ふたりによるサスペンス作品。
 ニューヨークの地下鉄で、ひとつの車両が緊急停止した。乗客と運転手を人質に立てこもる犯人たち。交渉役になってしまった地下鉄職員と犯人とのやりとり。身代金の要求。人質の危機。秘密の暴露。
 デンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタの演技力に支えられた作品で、もう少し伏線を埋め込んでいても良かったのではないか?例えば、交渉役の地下鉄職員とその妻の出勤前の何気ないやりとりを冒頭に持ってきて、後でその台詞にニヤリとさせることくらい、簡単なはずで、物語に深みを持たせると思うのだが...
 単純に演技力を楽しみたいのであれば、観るべし。
サブウェイ123 激突
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2009/08/28

ディズニーネイチャー フラミンゴに隠された地球の秘密

 ディズニーが贈る自然を舞台にしたドキュメンタリー作品。
 雨季から乾季にかわる湖。不思議な現象。フラミンゴが卵を孵して、雛を育てる。生存競争を生き延びた雛だけが、空を舞うことができる。
 サブタイトルは「フラミンゴに隠された地球の秘密」。そんなたいそうな内容ではないが、初めて知ることも多く、面白く楽しめた。
 多少残酷なシーンもあるが、もっと子供たちに観てもらいたい映画。
ディズニーネイチャー フラミンゴに隠された地球の秘密
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2009/08/22

宇宙(そら)へ。

 NASA50年の栄光と挫折にあふれた歴史をBBCが描いたドキュメンタリー作品。
 7名のライトスタッフから始まるマーキュリー計画。国家の威信をかけたアポロ計画による月面着陸。そして、スペースシャトルへ。NASA秘蔵の映像により描かれていく。
 「ディープ・ブルー」や「アース」で期待を最大限に膨らませていたので、かなり残念な出来。原題は「Rocket Men」。この原題を知っていれば、誤解することもなかった。この邦題は?最後の「。」も意味不明。
宇宙(そら)へ。
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2009/07/10

MW-ムウ-

 手塚治虫原作のコミックを実写化したアクションエンタテイメント作品。
 タイの街中を、息も切れ切れに走り回る中年の男。黒の鞄を抱きしめたまま、電話の指示に従う。自分の娘を救うために、身代金を運ぶ。その誘拐は身代金目的という単純なものではなく、複雑な背景が見えてくる。16年前の隠蔽された事件が、復讐心を育て、ダークヒーローを産み出す。
 オープニングから、緊迫感とスピード感にあふれるシーンが続く。いろいろと突っ込みたくなる矛盾もあるが、その隙もない勢いで一気に突き進む。次第に状況が明らかになっていくが、それほど複雑なストーリーではなく、悪玉がヒーローだと分かってしまえば、単純である。人間を捨てて悪者になっていく若者の複雑な心を丁寧に描いても良かったのではないか。その心の葛藤を乗り越えたところにある悪魔の所行が引き立つ。
 手塚作品には珍しい悪役主役の作品は、独特の空気感が感じられるが、映画である理由は良く分からなかった。芸能プロダクションの作品なのだから、もっと若手に厳しい演技を要求して成長させる場にして欲しいと思った。
MW-ムウ-
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2009/06/26

真夏のオリオン

 日本海軍の潜水艦の艦長と手書きの楽譜が巻き込まれた終戦間近の物語。
 第二次世界大戦末期、アメリカの本土攻撃を阻止するために、タンカーを沈める日本海軍の潜水艦。タンカーを守るために、日本海軍の潜水艦を狩るアメリカ海軍の駆逐艦。潜水艦と駆逐艦の戦い。潜水艦の中での思惑と葛藤。
 潜水艦と駆逐艦の戦い。人間魚雷回天を巡る人間模様。戦場に向かう男と残された女。などなど、これまでにも何度も描かれてきたエピソードであるが、手書きの楽譜とそれに書かれた詩とハーモニカ演奏が新たなニュアンスをもたらしている。
 若干中途半端。もっと何かに集中して描き込んでもらいたかった。映像効果やマットペイントについては、お金をかける必要はないが、もっと丁寧に、明るさや色調を調整してもらいたかった。劇場で観るにはつらい出来である。
 昔を知り、戦争と平和について考えるには良い映画。
真夏のオリオン
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2009/06/12

スター・トレック

 人気シリーズが若々しい新キャストで完全に生まれ変わったSFアドベンチャー。
 強力な敵に打ちのめされる連邦艦隊。脱出する乗組員。ひとりで立ち向かう若きキャプテン。出産間近のキャプテンの妻。乗組員を逃がすために突入するキャプテン。失われる命と生まれくる命。生まれた命が成人となり連邦艦隊に参加する。乗り込むのは新造船のUSSエンタープライズ。
 エンタープライズのキャプテン、カーク船長とその仲間たちの若き日を描く。やんちゃな若者が様々な経験をしながら、キャプテンになるまでの成長記。この若者の成長記が、スター・トレックを知らない人にも取っつきやすくなっているのだろう。キャストたちも、そっくりさんではないが、オリジナルキャストから違和感を感じさせることもない。
 最後の最後に聞ける音にニヤリとさせられるなど、古いトレッキーにも、全く知らない人にも楽しめる作品。
スター・トレック
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2009/06/06

ハゲタカ

 外資ファンドの企業買収を描いたNHKのTVドラマを映画化した人間ドラマ作品。
 中国の田舎。畑で作物の種を蒔く老人と少年。その脇を赤い車が通りすぎていく。成長した少年が現れたのは日本。日本の代表的自動車メーカに対する買収を表明する。そこにホワイトナイトとして登場したのが、あの「ハゲタカファンド」。ふたつのファンドによる壮絶に闘いが始まる。
 様々な賞に輝いた人気ドラマの映画化であるが、TVドラマを見ていなくても、問題なく楽しめる内容となっている。ただ、昨今の経済危機を取り入れたためか、ストーリーが多少ハードランディング気味となっていた気がした。
 他にも、ドバイマネーがイスラム金融以外のファンドの買収に使えるのか?とか、株価暴落の推移はおかしいよね?とか、違和感あるシーンが気になった。そして、もっと人物の背景を深く、崩壊したアメリカをシニカルに描いて欲しかった。エンタメだから良いのかも知れないが...
 いろいろ突っ込んだが、他にはない見応えのある作品。観て損なし。
ハゲタカ
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2009/06/05

ラスト・ブラッド

 種族間闘争を背景に繰り広げられる剣とワイヤーアクション満載のアクション活劇。
 1970年の東京。地下鉄に乗った少女が、日本刀を片手に、突き進む。その少女の名前はサヤ。セーラー服に身を包み、米軍基地の高校に潜入する。宿敵オニを処刑するために。その起源であるオニゲンを倒すために。人間とオニ種族との闘いに終止符を打つために。宿命の闘いの火ぶたが切って落とされた。
 原作を知らないので何とも言えないが、突っ込みどころ満載の設定と映像。ワイヤーアクションは悪くはないが、ワイヤー感満載。ただ、逆にアニメーションぽい映像となっており、悪くない。ブラッディでスプラッタなシーンが続くが、それほど気にならない。ただ、CGの出来は残念。上映時間が101分と短めであるためか、説明不足気味。ただ、ストーリー展開はスピーディーで心地よい。
 予備知識なしで観たが、期待以上に楽しめた。「猟奇的な彼女」や「デイジー」でしか知らなかったチョン・ジヒョンのアクションは期待を裏切る素晴らしい出来。演技の幅が、これで劇的に広がるのではないだろうか。小雪は、日本の映画やドラマで観るのとは違って良い出来だったが、最後はもっと狂気が見えても良かったのでは。倉田保昭も久々。
 素晴らしい出来。観るべし。
ラスト・ブラッド
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2009/05/15

天使と悪魔

 ロバート・ラングドン教授が、ヴァチカンの危機に立ち向かうサスペンス作品。
 反物質が盗まれた。その標的に選ばれたのは、コンクラーベ真っ最中のヴァチカン。教皇候補の4人の枢機卿が誘拐され、殺害を予告される。秘密結社イルミナティが復活し、ヴァチカンに復讐を遂げようとしているという。宗教象徴学者のロバート・ラングドン教授は、ヴァチカンの依頼により、その謎を解き、復讐計画を阻止することになる。
 ダン・ブラウンの原作と比較しながら観てしまったが、原作にある重要なプロットのひとつがほぼ完全に省略されていた。その結果、導入部も違う視点から描かれており、違和感はありながらも、時間や登場人物の数を考えると致し方のないことと感じた。
 情報量の問題もあるが、148分間の上映時間中、スピーディーなストーリー展開が続く。ただ、情報量を削ってでも、ストーリーにもっと深みを持たせてもらいたかった。
 とは言え、エンタメ作品としては上質。楽しむべし。
天使と悪魔
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2009/04/29

レイン・フォール/雨の牙

 キャスト、スタッフともに国際的なアクション・サスペンス作品。
 東京での彼の仕事は、要人を自然死に見せかけて殺すこと。彼にとってこの簡単な仕事は、罠にかけられ、あるモノが紛失したことで、CIAとヤクザと警察に追われることになる。あるモノを手に入れるために出会った女性と二人で東京を逃げ回るうちに、心を通い合わせていく。
 SONY PICTURES作品と言うことで、ハリウッド作品に日本人のキャストとスタッフが参加しているイメージでいたが、どちらかと言えば、日本映画をオーストラリア人監督をはじめとする国際的なキャストとスタッフが加わった作品である。
 VAIOが登場するのは仕方ないとして、メモリースティックが連呼されるのには笑った。登場するのはメモリースティックではなく、どう見てもUSBメモリー。メモリースティックにとっても逆効果では...
 原作はレインシリーズの第一作目で、六作品まで出版されている。続編はあるのか...?
レイン・フォール/雨の牙
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2009/04/10

レッドクリフ Part II

 ジョン・ウー流三国志絵巻の完結編。
 三国時代、魏・呉・蜀の三国が覇権を争う中国。南下する強大な戦力を有する魏の曹操を迎え撃つため、呉の孫権と蜀の劉備は同盟を組む。決戦の舞台は赤壁。数十万人の戦力がぶつかり合う死闘へ。
 三国志でも有数の闘いが、実写で蘇る。水軍の戦は、軍船同士がぶつかり合い、火計によって、炎につつまれていく。その激しい描写は、迫力満点。
 残念なのは、有名で欠かすことのできないエピソードがなかったり、無理のあるストーリー展開が気になったこと。三国志と三国志演義の違いもあるし、新しい解釈もあるかも知れないが、違和感ありあり。
 エンターテイメントとして楽しめば良し。
レッドクリフ Part II
映画日記

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2009/03/20

ワルキューレ

 第二次世界大戦でのアドルフ・ヒットラー暗殺計画を描いた戦争サスペンス作品。
 1944年7月20日。ヴォルフスシャンツェの総統大本営「狼の巣」で実行に移されたアドルフ・ヒットラー暗殺計画。時限爆弾の炸裂、会議室の破壊。アドルフ・ヒットラーの暗殺成功を確信した反乱軍は、ドイツ国内掌握作戦「ワルキューレ」を発動した。
 有名な史実を描いた本作品は、スケール感のある出来になってはいるが、厚みに乏しいように感じた。やはりハリウッドの手には余る内容なのである。単なるエンターテイメントと考えれば良いのかも知れないが、ドイツ人の手で描くべき出来事なのである。特にナチについては。
 あの歴史的出来事がどのように描かれているかを考えながら観ると、興味深い。
ワルキューレ
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2009/03/13

ジェネラル・ルージュの凱旋

 不定愁訴外来の医師 田口と厚生労働省の役人 白鳥のコンビ復活の人気医療ミステリーの続編。
 リスクマネジメント委員会委員長でもある田口のもとに、内部告発文が届く。救命救急センター長が医療メーカと癒着しているとの内容。院長から調査を命じられた田口。脚を骨折した白鳥が入院してきて、コンビ復活。ふたりで調査を進める。
 新しい共演者を加え、魅力ある作品に仕上がっている。原作を読んでいなければ、もっと楽しめたかも知れないが、悪くない出来。残念なのは、原作の魅力的な登場人物が省略されていること。時間の都合を考えると当然だが、いつまでも探してしまった。キャスティングも「佐藤ちゃん」を除くと魅力的。
 医療的な視点から、Aiと死体の議論を中断させたままにしたことと、ドクターヘリを空飛ぶ救急車扱いしたことは大問題。このあたりを丁寧に作り込んで欲しい。終盤の緊急医療のシーンの出来が良いだけに残念。
 前作を観ていなくても楽しめる作品。観るべし。
ジェネラル・ルージュの凱旋
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ヤッターマン

 30年前のテレビアニメタイムボカンシリーズが実写で復活したエンターテイメント作品。
 「渋山」の街中で闘いを繰り広げている、正義の味方ヤッターマンと悪の軍団ドロンボー一味。願いが叶うというドクロストーンを巡って、闘いの場を世界中に広げ、エスカレートさせている。世の中では、様々なものが消えていくという現象が生じ...
 キャスティングと衣装と美術が評判の作品。正義と悪の対比のシンプルなストーリーと少ない登場人物が、分かり易い。スチルのおだてブタの出来からかなり期待していたCGは、悪くはないが、動きが最悪。アニメを意識した動きと解釈しても違和感あり。アニメーションの基本もできていないとしか見えない。ビックリドッキリメカも、もっと沢山登場して欲しかった。
 最もまともな人物役の岡本杏理は意外によい出来。
ヤッターマン
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2009/02/21

三国志

 蜀の五虎大将軍のひとりである趙雲を主人公に描いた三国志作品。
 三国志の時代の中国。劉備軍に参加する若者、趙雲。その武勇から蜀の大将軍にまで駆け上がり、常勝将軍の異名を持つ。最後の五虎大将軍となった趙雲の最後の戦いは?
 三国志演義をベースに描いているようであるが、描かれているストーリーは良く知るエピソードとはかなり異なっているので、違和感ありあり。どのエピソードも集中できなかった。
 最初の戦いのシーンは、スローモーションとスピード感のある編集がある意味新鮮で、期待感があったが、その後のシーンは凡庸で残念に思える。例えば、騎乗のクローズアップシーンなどは、古典的な一手間で全く印象が異なるはずなのに、なぜそれすらしなかったのか、疑問である。
 若者が戦いの中で成長していく物語を描くものだと思っていたら、中抜きで晩年に飛んでしまった。この北伐の時代の主人公である魏の司馬懿と蜀の姜維の影は薄い。
 ラストの落ちもびっくりだが、別の物語としてみるべきだろう。
三国志
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2009/02/08

ザ・ムーン

 月着陸を実現したアポロ計画を当時の映像と宇宙飛行士たちの証言で綴るドキュメンタリー作品。
 月に降り立った人類は12人。1969年に月への第一歩を記して40年。科学技術の進歩は著しいものの、1972年以降、月に降り立ったものはいない。彼らが見て感じたものは何だったのか?
 ケネディ大統領のカリスマ性に溢れた演説。若きライトスタッフたちの才能と献身的な任務遂行。偉業に対する熱狂と尊敬の念。今の人類が見失っている何かが当時にはあった。
 「ライトスタッフ」や「アポロ13」なども見聞きしていたエピソード。しかし、本物の映像は、フィルムのゴミや汚れは残っているものの、本物だけが持つ説得力のあるリアリティは素晴らしく美しい。
 観るべし。
ザ・ムーン
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2009/01/31

007/慰めの報酬

 前作に引き続き、ワイルドでシリアスでダークなジェームズ・ボンドの第22作。
 前作「カジノ・ロワイヤル」の1時間後。愛した女への思いは復讐心へ。新たな謎に包まれた組織を探るために世界を駆け巡る。謎の組織の正体とその目的は?
 オープニングからシンプルかつ迫力のあるアクションシーン。動と静。光と影。生と死。歓喜と悲哀。車と銃だけのシーンだが、カメラと編集によって、迫力のあるものに仕上がっている。挟め込まれる平和で幸福なカットとの対比が、単純なシーンに深みを与える。
 何より脚本の良さが魅力。注目の石油メジャーに続くメジャーを敵として描いた時代感覚は秀逸。エンターテイメントの姿を借りながら、世の中の問題を糾弾してみせる。この脚本があるからこそ、わずかな引っかかりはあるものの、物語は破綻せず、リアリティが保たれている。
 完全に生まれ変わった007シリーズ。観るべし。
007/慰めの報酬
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2009/01/30

感染列島

 未知のウイルスによるパンデミックを描いたパニック作品。
 2001年、東京郊外の市立病院に運び込まれた急患。接触者に急激に感染が広がり、新型インフルエンザが疑われる。感染源が分からないまま感染爆発が起こり、都市機能が失われていく。
 話題のパンデミックを描いた作品であり、設定などは興味深いものがあるが、かなりのご都合主義でちょっと残念。リアリティのなさが酷くて気になりすぎて、集中できなかった。さらに、人がここで描かれている情報や行動が正しいと信じてしまうことも気になる。
 インフルエンザ予防になれば良いかな。
感染列島
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2008/12/27

K-20 怪人二十面相・伝

 怪人二十面相に仕立てられた男と明智小五郎によるアクション作品。
 第二次世界大戦が回避され、華族制度が継続され、極端な格差社会となった帝都。1949年。富裕層をターゲットする怪人二十面相が世間を騒がせていた。サーカスの曲芸師が騙されて、怪人二十面相に仕立てられ、警察に追われる。無実を証明するため、怪人二十面相を演じながら、本当の怪人二十面相を追い詰めていくが、その正体は...
 オープニングから手の込んだシーンをみせ、ニコラ・テスラの怪しい機械を登場させるなど、独特な世界観を描き出している。ただし、物理の法則を無視したシーンは興ざめ。スパイダーマンのバクリのようなシーンも、多用しすぎで残念。
 懐かしい建屋が登場してびっくり。確かに世界観に適合した建物でした。
 エンディングには納得できませんでしたが、何も考えずに楽しむ作品です。
K-20 怪人二十面相・伝
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2008/12/12

D-WARS

 クリーチャーアクションと純愛を描く韓国人監督作品。
 韓国のドラゴン伝説が現代のロサンゼルスに出現する。500年ごとのドラゴンになるための争いに巻き込まれていく。伝説の生き物と思われる未知の生物の圧倒的な破壊力になすすべのない人類。
 SFX満載の映像は迫力あるものになっているが、多少過剰の印象あり。それ以上に、どこかで見たような映像ばかり。そのなかでもSTAR WARSそのままのクリーチャー達のシーンには、あきれるばかり。
 予備知識なしでの観賞であったが、主題がさっぱり分からない作品であった。
D-WARS
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2008/11/14

レッドクリフ Part I

 ジョン・ウー監督が豪華キャストで描く壮大なる三国志絵巻の作品。
 三国時代、魏・呉・蜀の三国が覇権を争う中国。最大勢力を有する魏の曹操は、蜀の劉備を撃破し、呉の孫権を征服しようと南下する。戦いの舞台は赤壁。魏の巨大な軍勢を迎え撃つのは、呉と蜀の連合軍。圧倒的な勢力差を、呉の周瑜と蜀の孔明の知略が補う。そして、赤壁の戦いへと投入していく。
 日本人にとっては、吉川英治の小説、横山光輝の漫画、川本喜八郎の人形劇などが慣れ親しんだ三国志であり、中国人にとっての三国志との相違点があるかもしれないが、違和感なく見ることができた。曹操が徹底的に悪役として描かれているのは中国人として当然なのだろうが、主要キャストにリアルに白髪を加えるなど、年齢的にも忠実に再現しているように感じた。また、陣形にこだわるところも中国人らしいと思えた。
 2009年4月公開予定のPart IIが待ち遠しい。三国志に親しんでいた人にもそうでない人にもお勧め。
レッドクリフ Part I
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2008/10/24

容疑者Xの献身

 東野圭吾原作「探偵ガリレオ」シリーズの劇場映画化作品。
 高校教師となった天才数学者が仕掛けた難問に挑む大学准教授「探偵ガリレオ」。大学同級生同士のふたりは久々に出会うことになるが、ふたりが競う頭脳ゲームは犯罪絡み。謎解きの結末は如何に。
 テレビシリーズの映画化なので、常連の演者も登場するが、テレビを見ていなくても十分に楽しめる。原作をかなり忠実に再現しており、読んでから観ても楽しめる。
 松雪泰子は収穫。ずばりのキャスティングであり、演技も秀逸。堤真一の尖った上手い演技と比べても抜群。これを観るためだけでも価値あり。
容疑者Xの献身
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2008/08/14

ハプニング

 姿を見せない異常現象と巻き込まれた人々を描くナイト・シャマラン監督作品。
 ニューヨークのセントラルパークで始まった悲劇は、大惨劇の序章に過ぎなかった。原因が分からない異常現象は、パニックと共に周辺地域へと広がる。見えない脅威から逃げ惑う人々は、生き残ることができるのか。
 いつものナイト・シャマラン監督作品と言えなくもないが、観終わったときのモヤモヤ感は他のどの作品よりも多かった。解決されない感、満たされない感、教えてくれ感が沢山。
ハプニング
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2008/08/13

ダークナイト

 バットマンシリーズの最新作にして、主役を飲み込むジョーカーのための作品。
 ゴッサム・シティに出現した狂気に満ちた究極の悪、ジョーカー。追い込まれるマフィアを手玉にとり、世の中を不信と絶望と破滅で満たし、市民の感情をバットマンへの反発に変えていく。
 ジョーカー演じるヒース・レジャーの演技は、演技なのか、ジョーカーに取り付かれた姿なのか。バットマンの影が完全に薄れ、彼の顔と演技ばかりが印象に残ってしまった。本作が遺作となったことは本当に残念。
 勧善懲悪が通用しなくなった現代に登場した、正義の意味と意義をひとりひとりに問いかける作品。
ダークナイト
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2008/08/11

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

 インディ・ジョーンズシリーズの最新作。
 1957年のアマゾン、旧ソ連の情報機関と闘いながら、クリスタル・スカルの謎を解き明かす。
 冷戦時代、超常現象や超能力を武器にしようとする旧ソ連の情報機関が、世界中の伝説の秘宝や遺物を求め、考古学者のインディ・ジョーンズにもその触手を伸ばす。そのターゲットは、伝説の神秘のパワーを持つというクリスタル・スカル。クリスタル・スカルを手に入れるのは?その正体は?そのパワーは?
 老いたハリソン・フォードが痛々しく感じられたことが少し残念。ジェットコースタームービーと呼ばれたこのシリーズの勢いと躍動感も薄い。懐かしいが、若干残念。
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
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2008/05/09

88ミニッツ

 アル・パチーノ主演のリアルタイム・サイコ・サスペンス作品。
 シアトルでの連続猟奇殺人事件。FBI異常犯罪分析医の証言もあって死刑判決を受けた男。その死刑執行の日にFBI異常犯罪分析医にかかってきた電話は、88分後の殺人予告。
 同じ手口の殺人事件が続発し、周りの誰もが怪しく思え、自身も疑いをかけられる。リアルタイム・ライクに進むスピーディな展開とどんでん返し。
 私自身、読み過ぎてトンチンカンな推理をしてしまったが、観終わってみると無難な結末。余計な演出もなく、安心して楽しめる。
88ミニッツ
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2008/05/01

紀元前1万年

 ローランド・エメリッヒが描く太古の恋と冒険の物語。
 紀元前1万年、マンモスを狩ることによって生活をしてきた雪山の種族たちに、四本脚の悪魔たちが襲いかかり、奴隷として連れ去っていく。愛しい人を含む仲間たちを救い出すために、狩人たちは戦士となって、追いかけていく。雪山からジャングルや砂漠を経てたどり着いた神の山で、奴隷たちを開放するために、戦いを挑んでいく。
 ロケ撮影による美しい風景や、巨大なセットとミニチュアとCGを組み合わせたスケール感のある映像は魅力的。ただ、CGによる架空の動物たちは、わずかな違和感が気になってしまった。それに、巨大なマンモスがあんな全力疾走することはできないはず...また、ストーリー展開は、若者の成長を中心に描いたどこかで観たようなものばかり。巫母も「風の谷のナウシカ」の「大ババ」にしか見えなかったが、そこまで言うのは酷か?
 ラストの究極のご都合主義はとても酷い。もっと奇跡や魔法で飾ってあげれば、納得もできるが...
 とは言え、何も考えずに観れば、とても楽しめる作品。
紀元前1万年
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2008/04/29

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

 ティム・バートンとジョニー・デップのコンビによるブラッディーな異色のミュージカル作品。
 19世紀のロンドンが舞台。無実の罪で投獄され妻子を失った理髪師が、出所後に復讐を遂げるため名前を変えて戻ってくる。商売道具のカミソリを手に、ヒゲ剃りの最中に喉をかき切って殺し、その肉をパイの具にして販売するという、とにかくグロテスクな物語。
 ブラックで、ダークで、ブラッディーな内容をミュージカルで進めていく手法は斬新であるが、あまりに悪趣味。
 ラストシーンは最悪。ティム・バートンの世界観は尊重するが、理解不能な作品。
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
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大いなる陰謀

 ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、トム・クルーズの演技合戦が魅力の社会派作品。
 対テロ戦争を打開するための新作戦を推進する若手上院議員とベテラン女性ジャーナリスト。新作戦に参加して苦境に陥ってしまったふたりの若き志願兵。ふたりの教え子を戦場に送り出してしまった大学教授と今の教え子。これらのみっつのストーリーが平行して進展し、収束していく。
 台詞の掛け合いにより進展していく会話劇。ディベートが重要視されるアメリカならではのストーリー展開は、頭に心地よい疲労を与えてくれる。ただ、派手なシーンを期待している人には拍子抜け。結論がないのは仕方ないとしても、あまりにもあっさりと終わってしまうのは肩すかしの感じ。
 予告編を観たときの印象とは異なる作品。対テロ戦争への様々な問題提起をしているが、テロの真因を避けているところは、ハリウッド作品の限界か?自分自身に置き換えて考える機会を与えてくれる作品。
大いなる陰謀
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2008/04/11

クローバーフィールド/HAKAISHA

 「LOST」の制作・監督・脚本が仕掛ける新しいパニックムービー。
 ニューヨークでのありふれたサプライズ送迎パーティー。その様子を撮影する家庭用ムービー。楽しいひとときは、突然の爆音によって遮られる。衝撃的に出現した「あれ」は、街中を破壊しつくしていく。この事態に巻き込まれた人たちの経験が、家庭用ムービーに残されていく。残された家庭用ムービーに写っていたのは...?
 恋人たちのいちゃつきやパーティーの様子が、手ブレ満載の素人ムービーで延々続くと、退屈でもあり、心配にもなってくる。いざ、「あれ」が登場すると、一瞬にしてパニックムービーとなるが、「あれ」や「あれ」の全貌を見てしまうと、ちょっと残念。
 新しいアプローチは新鮮であるが、ストーリーや中身はほんのわずか。また、字幕の致命的な誤訳も気になり、入り込めなかった。
クローバーフィールド/HAKAISHA
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2008/02/17

エリザベス/ゴールデン・エイジ

 イングランドのエリザベス一世の生涯を9年ぶりの続編で描く歴史絵巻大作。
 16世紀のイングランド。イギリス国教会を確立したエリザベス一世は、スペイン国王フェリペ二世が送り出した無敵艦隊を迎え撃つ。女王自ら甲冑を身にまとい、最前線で兵士を力強く鼓舞し、アルマダの海戦では元海賊らしい火船攻撃によって、スペイン艦隊は壊滅的な敗北を与える。その結果、イギリス絶対王政の最盛期「ゴールデン・エイジ」を迎えた。
 この作品の魅力は、なんといってもケイト・ブランシェットの迫力のある演技。バージンクイーンの聡明さ、強さ、苦悩、嫉妬、慈愛を見事に描き出している。魅力的な共演者や豪華な衣装や美術と合わさって、作品に重みと厚みを加えている。
 歴史物としても人間ドラマとしても秀逸な作品。観る価値あり。
エリザベス/ゴールデン・エイジ
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2008/02/15

アメリカン・ギャングスター

 リドリー・スコット監督がふたりのスターとともに実話に基づいて描くクライム・アクション。
 1970年前後のニューヨーク。ベトナム戦争の軍事輸送を利用して東南アジアの麻薬を直輸入し、倍の純度を半分の価格で売り出し、市場を独占していく黒人の男。一方、汚職を拒絶し、正しいことをするが故に職場で孤立していた刑事は、特別麻薬取締局のチーフとして麻薬撲滅に取り組んでいく。いよいよ、このふたりが直接対決することになる。
 デンゼル・ワシントンの悪役は大丈夫だろうかと心配していたが、ファーストシーンからその懸念を打ち消していく。堅気の仕事を持ち、派手さを嫌い、目立たないことで裏ビジネスを成功させてきた男を演じるには、良い人を演じてきた彼で適任だったのかもしれない。一方、汚職まみれの警察にあって、正しい行いをしようとする男は、妻から離婚を迫られているなど、必ずしも品行方正ではない男は、ラッセル・クロウで適役といえる。
 最後の展開は若干納得いかないところもあるが、167分の上映時間は長く感じさせない。
アメリカン・ギャングスター
映画日記

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2008/02/11

チームバチスタの栄光

 このミス大賞作品を映画化したミステリー作品。
 奇跡の手術成功率を誇っていた心臓外科手術チーム「チームバチスタ」に、3例の術中死が発生した。医療ミスなのか、事故なのか、それとも故意のできごとなのか。大げさに処理したくない院長が内部調査を任せたのは不定愁訴外来の医師。心臓手術には素人の医師が、厚生労働省の役人の強引な協力を得て、解決を図る。
 手術室というある意味密室でのできごとを主題に、人間関係を描いた作品。秀逸な原作の映画化はハードルが高くなるものだが、合格点の得られるキャスティングに助けられ、それなりのレベルに仕上がっている。原作とは年齢も性別も異なる主人公の竹内結子と、はまり役の阿部寛の凸凹コンビは、確実にこの作品のリズムを作り上げている。
 原作を読んでいたので、映画では見えない背景や省略されていたエピソードも分かって観たので、理解は容易であった。しかし、ミステリー作品として楽しむには、原作は知らない方が良かったかも。原作との違いを探しながら観ていたが、主人公の設定が大幅に変わっていたので、あまり気にはならない。むしろ、映像を意識した演出は、文字よりも分かりやすいものであった。
 最近話題の心臓手術を主題とした作品。原作の良さもあって、観る価値あり。
チームバチスタの栄光
映画日記

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2008/01/25

アース

 46億歳の星が主人公の壮大なスケールのドキュメンタリー作品。
 一日中太陽が昇らない北極でさまようホッキョクグマ。溶けゆく氷と競争しながらエサを獲るオス。子どもをまもるメス。
 北極から赤道を経て南極まで、様々な動物の親子の生態や生き残りを賭けた生と死が描かれている。
 正直に言って、ディープブルーのレベルを期待していたのでガッカリ。ディープブルーでの見たことのない深海生物の驚きと美しさ、海と空の青さの多様さと美しさ。この感激を期待していたことがいけなかった。
 多くの親子を描いており、残虐シーンはほとんどないので、万人にお勧め。
アース
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2008/01/04

AVP2 エイリアンズVS. プレデター

 二大モンスターが奇跡の共演を果たした作品の第二弾。
 エイリアンに寄生されたプレデターの宇宙船が、地球に不時着する。エイリアンは地球で繁殖を始め、エイリアンを殲滅するために新たなプレデターが到着し、プレデリアンも加わり、人類を巻き込んだ生き残りを賭けた闘いが始まる。
 スターの出演もなく、大したストーリーもなく、ひたすら血まみれのシーンが続き、人が死んでいく。B級映画っぽい設定も、どこかで観たようなシーンも、お決まりのエンディングも、分かっていても楽しめる。
 前作だけでなく、エイリアンもプレデターも劇場では観ていないのだが、期待さえしなければ満足できた。
AVP2 エイリアンズVS. プレデター
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2007/12/31

映画日記

 2007年に劇場で鑑賞した映画は19本でした。
 リストを見直すと、見逃した作品が結構ありました。
どろろ
不都合な真実
墨攻
蟲師
ハンニバル・レクター
ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習
プレステージ
ゾディアック
アポカリプト
ダイハード4.0
トランスフォーマー
オーシャンズ13
さらば、ベルリン
キングダム/見えざる敵
グッド・シェパード
ボーン・アルティメイタム
ディスタービア
アイ・アム・レジェンド
ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記
映画日記

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2007/12/29

ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記

 トレジャーハンターの荒唐無稽な活躍を描くシリーズ第2弾作品。
 リンカーン大統領暗殺がスタート。南北戦争において、北軍の勝利に貢献していたはずの先祖に、リンカーン大統領暗殺の黒幕との疑惑が持ち上がる。その汚名を晴らすために、世界各地の暗号を解読しながら、新大陸の「黄金都市」に迫っていく。
 前作を意識しているシーンや台詞に気づくことがあったが、観ていないのでピンと来ない。それでも十分に楽しめる。厳密性を無視して観るべし。
ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記
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2007/12/14

アイ・アム・レジェンド

 危険なウィルスの蔓延によってニューヨークでひとりきりになってしまった男の物語。
 ウィルスの遺伝子操作によって癌を撲滅させた人類は、そのウィルスによって絶滅されてしまった。唯一、ニューヨークに生き残った免疫を持つ科学者は、愛犬と共に単調な生活を繰り返しながらも、人類の再生を目指して活動していた。
 題材も良く、ウィル・スミスの独り芝居も悪くないと思って観ていたが、途中から変な方向に変わっていった。確かに派手なシーンは客寄せによいのかも知れないが、必然性が感じられない。あんなシーンがなくても、十分に表現する方法はあるはずで、脚本家と監督の手抜きとしか考えられない。
 ラストも単純でイマイチ。何となく残念。
アイ・アム・レジェンド
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2007/12/01

ディスタービア

 「裏窓」を彷彿とさせる今どきの高校生が直面するスリラー作品。
 自宅軟禁処分の高校生は、GPS監視システムにより自宅に縛られ、暇をもてあましていた。その彼が見出した楽しみは「覗き見」という後ろめたい行為。しかし、覗き見てしまった隣家での疑惑の出来事から、親友ら三人での禁断の探偵ごっこを始めてしまう。そこで直面した衝撃の真実は...
 ネットワークゲームやiTunes、iPod、ケータイ、ビデオカム...今どきのガジェットが次々に登場し、作品にアクセントを与えている。特に着メロは効果的で、笑ってしまうほど。
 連続猟奇殺人鬼の登場する重いストーリーのはずだが、高校生の脳天気なノリがライトな感覚にしており、B級作品の感じも良い。むしろ、よく観る設定やストーリー展開ではないことが、新鮮なサプライズをもたらしている。
 自分でも撮れそうと感じてしまう作品であるが、すこぶる面白い。オススメ。
ディスタービア
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2007/11/23

ボーン・アルティメイタム

 記憶を失った殺人兵器の復讐劇の3作目にして完結編。
 自分の正体を知るために、記憶を取り戻すために、自らの足跡をたどっていく元CIA諜報員のジェイソン・ボーン。機密が発覚するのを恐れ、彼を抹殺しようとするCIAとの激闘。最後の決戦の場所は、ジェイソン・ボーンの誕生の地。
 前作までの記憶を失った男の苦悩を描く場面はないが、息つく暇のないアクションシーンの連続。知恵競べあり、生身のぶつかり合いあり、欺し合いあり、裏切りあり。良質な作品に仕上がっている。
 前2作を観たり、ロバート・ラドラムの原作を読んでいると、より入り込みやすくなるが、本作だけでも十分に楽しめる。これで最後なのが残念。
ボーン・アルティメイタム
映画日記

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2007/11/09

グッド・シェパード

 諜報活動に一生を捧げた男の人間ドラマをロバート・デ・ニーロが描いた作品。
 第二次世界大戦に参戦前夜のアメリカ。詩を専攻していた男が、諜報機関にスカウトされ、CIAの誕生に深く関わっていく。苦悩と苦悶しながらの諜報活動と、任務の犠牲となり疎遠となった家族との関係。
 唯一残念なのが、マット・デイモンの童顔。幅広い年齢を演じているが、年齢相応の顔に見えない。特に、時間が頻繁に前後する演出なので、キャプションが出ないと分かり難いこと甚だしい。メガネと髪型で何とか識別していた。それに比べると、アンジェリーナ・ジョリーは頑張っていたように思えた。
 2時間47分と長めの作品であるが、重厚な人間や家族のドラマは見応え十分。
グッド・シェパード
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2007/11/02

キングダム/見えざる敵

 アメリカのテロとの戦いのひとつの形態を描いたアクション作品。
 サウジアラビアの外人居住地にて大規模な自爆テロが発生。4名のFBI捜査員が現地入りし、捜査を試みる。サウジ側が課す制約、サウジ警察官との友情、テロ組織との闘い。
 オープニングのアメリカとサウジとの石油を介した関係の歴史に関するブリーフィングは興味深く、それに続く自爆テロシーンは迫力十分。国内捜査を担当するはずのFBIがサウジで捜査することの説明や、サウジ側の信頼を得ていくシーンまでは社会派っぽい描き方であるが、それから先はいつものハリウッドお得意の派手なアクションシーン。
 これまでのハリウッド映画にある単純な勧善懲悪ではない描き方ではないものの、やはりハリウッドスタイルのエンターテイメント作品の枠から外れる作品ではない。アメリカは世界の保安官との意識が見え隠れし、まるでランボーやスーパーマンのような活躍シーンには、これまで通りの違和感が残る。
 ラストのふたりの同じ台詞が語っているように、連鎖を断ち切っていくことが求められている。この台詞を言わせたことは評価できるが、やっていることは正反対である。実際のアメリカの現実を描いているとも言えるが、やはり残念。
キングダム/見えざる敵
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2007/10/12

さらば、ベルリン

 終戦のゴタゴタに巻き込まれてしまった記者のミステリー作品。
 第二次世界大戦の終戦直後のベルリンが舞台。アメリカとソビエトがにらみ合う混乱のベルリンに、アメリカ人記者が戻ってきた。昔の同僚で恋人に再会するが、徐々に巨大な陰謀に巻き込まれていく。
 全編モノクロ映像で、アングルやカット割り、音楽なども古い映画のスタイルを模倣している。かなり良いレベルと思えたが、撮影後にかなり画像処理しているような気がしてしまった。考えすぎ?
さらば、ベルリン
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2007/08/11

オーシャンズ13

 専門家たちがドリームチームを組んで挑戦する三度目の犯罪ドラマ。
 こんどの舞台はラスベガス。仲間のひとりがホテル王に欺された。復讐のために集まったメンバーは、難攻不落のカジノのセキュリティシステムを破り、ホテル王に巨大なダメージを与えようとチャレンジする。
 ハリウッドのそうそうたるメンバーが、本当に楽しみながら作り上げている本シリーズ。いつもの面々に加えて、新しい顔ぶれも豪華。ただ、女性が少ないことが残念。犯罪に女性の影が見られないのは不自然。
 なかなか広範囲で大規模な作戦は興味深いが、少しだけ底が浅いような気も...
 前作を見たことがある人もない人も楽しめる一品。
オーシャンズ13
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2007/08/09

トランスフォーマー

 日本の玩具からのインスパイヤーで誕生した実写版変形ロボットアクション。
 中東の米軍基地が何者かの攻撃を受け、壊滅させられた。そして、その矛先は米国に向けられる。次第に明らかになる何者かの正体は、様々なマシンにトランスフォーム可能な未知の惑星からの金属生命体。彼らの目的は...
 ヒューマノイドロボット状の金属生命体が、車や飛行機などにトランスフォームするというコンセプト、そして、それらが街中で戦うというシーンは、正に日本のオモチャやアニメや戦隊シリーズそのもの。それがハリウッド流に実写化されると迫力満点。ガンダムの実写化を想像してしまった。
 CGレベルをチェックする定点観測とも言える作品。CGそのものや実写との合成のレベルはさすが。慣性の法則など物理現象に反するシーンには違和感を感じた。確かに荒唐無稽な物語ではあるが、それにしても無理が多い。
 戦闘シーンはスピード感もあって悪くないのだが、設定やストーリーはイマイチ。金属生命体がそこにあるものにトランスフォームする設定でもあり、そこにあるものが攻撃ロボットにトランスフォームするとの設定でもある。ちょっと混乱。北極探検とのリンクも不完全燃焼で、暗号解読チームの扱いも雑、と言うか尻尾切れ。
 単純に楽しんだもの勝ち。
トランスフォーマー
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2007/07/27

ダイハード4.0

 「世界一運の悪い男」が巻き込まれる不死身の刑事の4作目の作品。
 クラッカーの拘束・護送を指名された刑事が、突然の銃撃にさらされる。撃退後の護送中、信号が狂い交通が麻痺する。そのうち、あらゆるコンピュータシステムがクラックされ、全米が大混乱となる。デカとクラッカーが力を合わせサイバーテロ犯と対峙し、その正体と目的を明らかにしていく。
 ベテランとなった刑事のジョン・マクレーンが戦う今回の敵はサイバーテロ。直接的な暴力的手段を伴った過激なテロにより全米が窮地に追い込まれるなか、娘を人質に取られようが、生身ひとつで今回も不死身の闘いを挑んでいく。
 突っ込みどころは満載だが、頭を真っ白にして楽しむべし。
ダイハード4.0
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2007/06/29

アポカリプト

 メル・ギブソンが監督として描くマヤ文明を舞台にした若者のアクション・アドベンチャー作品。
 マヤ文明末期、スペイン人の進入直前のある日、冗談と笑いの絶えないジャングルの部落が、男たちに襲撃された。捕らえられ、連行され、儀式の生け贄にされかけたひとりの若者が、ジャングルに逃げ込む。残された身重の妻と息子に再会するために、追っ手から逃げて逃げて逃げまくる。
 生け贄の儀式や戦闘のシーンなど、かなり血がほとばしる場面がみられるが、極端にグロテスクではない。ただ、西側世界からみたステレオタイプから逃れることができておらず、全編マヤ語だったことを考えると、もっと本当のマヤ文明を描いて欲しかった。
 若干ご都合主義的なストーリー展開が気になったり、人間同士の醜い争いの対比としてのジャングルの自然をもっと美しく取って欲しいと思ったが、とても興味深い作品。観る価値あり。
アポカリプト
映画日記

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2007/06/22

ゾディアック

 デビッド・フィンチャー監督が実際の未解決事件を元に描くクライム・サブセンス。
 1969年のカリフォルニアで始まった連続殺人事件。犯人は新聞社に犯行声明を送りつけ、新聞に掲載することを要求する。さらに、同封されていた暗号文。
 犯人と真実を追い求めるあまり、人生を狂わされた捜査員と新聞記者と新聞漫画家。20年以上たった今でも未解決のまま、家族を失い、ボロボロになっていく。
 アメリカン・グラフィティの雰囲気で始まるオープニングが、一転して血まみれとなる。新聞やテレビといったメディアを利用した劇場型の連続殺人事件と、暗号文と犯人の謎解きで序盤はスタートする。しかし、犯人が分からないまま月日が過ぎ去り、いつしか狂ったように犯人を追い求めていく男たちの人生の人間ドラマに変わっていく。
 犯人も、同期も判明されないままエンディングとなるので、見終わってもスッキリ感がないが、不思議な空気感を楽しむことができる。
ゾディアック
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2007/06/16

プレステージ

 十九世紀末のロンドンを舞台に、ライバル同士のふたりの若きマジシャンによる互いの意地とプライドを賭けたイリュージョン対決を描いた作品。
 マジシャンのサクラの助手としてともにステージに立っていたふたりのマジシャンの卵は、ステージの事故で片方の妻が亡くなったことをきっかけに、醜い争いを繰り広げる。
 マジックのネタを作る男役のマイケル・ケインの重厚な演技は、この作品に安心と深みを与えている。
 キーとなる人物として登場するデヴィッド・ボウイが演じるニコラ・テスラは、奇人と言われていた割にはまともな人物として描かれていたが、彼の発明品は極めて怪しく、話の展開を左右する。元の上司であるエジソンとの闘いや、直流と交流の規格化争い、交流発電・送電の有利さも描かれており、科学史としても楽しめる。
 過去の回想シーンを使って時間経過が頻繁に前後するので、多少混乱することもありますが、ラストのネタばらしに対する欲求不満とともに、気にせず楽しみたい。
プレステージ
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2007/06/01

ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習

 カザフスタン国営テレビのレポーターが、取材先のアメリカで引き起こす珍道中を描いた架空ドキュメンタリー作品。
 アメリカの文化を学び、レポートするためにニューヨークに到着したカザフスタン国営テレビレポーターのボラットが、アメリカ大陸を横断してカリフォルニアに到着するまでの各地で、アメリカ国民と交流を図る。しかし、とても非常識で、下品で、オバカ。
 もちろん本物ではなく、イギリスのコメディアンによるドキュメンタリーを装ったコメディー。しかし、登場人物としてのアメリカ国民は、彼を本物のカザフスタン人として接しているようで、本気で不快感を表したりしています。ただ、どんなにパニック的事態になっても、まるで透明人間になったかのようにカメラマンを意識する人はいません。現実であれば、先ずは不都合な状況を記録として残しているカメラを止めようとするのが正直な反応と思うのですが...
 観ていてこれだけ不愉快な気分になった映画もありませんでしたが、建前の陰に隠れているとんでもないアメリカの本音が、これでもかと浮かび上がります。
 オススメはできないが、怖いモノ見たさの人に。
ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習
映画日記

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2007/05/01

ハンニバル・ライジング

 あの、トマス・ハリスが生み出したハンニバル・レクター博士の誕生を描いた作品。
 第二次世界大戦の末期、戦争に巻き込まれた家族。そして、残された兄と妹は...
 美しい自然と仲の良い兄妹が遊ぶ水辺。しかし、心安らぐシーンはそれだけで、その後は呪われた兄の悲劇が始まる。そして、彼は心の平衡を取り戻すかのように、妹の無念を晴らし、悪魔に魂を捧げてしまう。いや、内なる魔性が解き放たれただけかもしれない。
 若き日の彼を叔母として養育し、いろいろな意味での影響を与え、悪魔の誕生のきっかけを作り、最後の引き金を引いてしまう女性は、日本人であるとの設定である。題名のライジングは、誕生の意味であり、日出ずる国「ライジング・サン」を思い出させようとしたのだろう。
 ただ、残念なことに演じたのは日本人でも日系人でもなかったので、どうしても違和感が残った。そして、日本に関する小道具や作法などにも違和感ありあり。親日家の外国人であれば納得いくのだが...
 戦争犯罪人をモチーフとして取り上げながら、理性から解き放たれた人間の狂気は、長年に渡って猟奇あふれた犯罪を重ねていく。悪魔の誕生の瞬間を観ておきたい。
ハンニバル・レクター

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2007/03/24

蟲師

 大友克洋が久々の実写で描いた妖しき世界観が独特の和テーストの作品。
 ひと昔の日本で、自然に存在し、たまに人に取り憑くこともあった「蟲」と、人には見えない「蟲」を見ることができ、「蟲」と人との衝突を解決する「蟲師」ギンコのものがたり。
 大友克洋が他者のコミックを原作に脚本・監督した作品であるが、16年ぶりの実写作品であることが大変貴重。現代の日本人が忘れかけている美しくも謎多き頃の自然と世界観を、妖しく描いている。自然も登場人物も素朴であるが美しく描いている。
 主人公役のオダギリジョーは、白髪隻眼の「蟲師」を自然に演じており、蒼井優と江角マキコがそれぞれの魅力を活かした演技で脇を支えている。ただ、初めてスクリーンで観る蒼井優の登場シーンが少なめであったのが個人的には残念。そして、この作品の大きな産物のひとつが話題の大森南朋である。魅力的で存在感のある演技は、今年が彼の年であることを示唆しているように感じた。
 スクリーンサイズがワイドでないことと、映像効果が多少過多であったことを除けば、満足な作品。ノスタルジックに浸ることのできる秀作。
蟲師
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2007/02/09

墨攻

 春秋戦国時代の戦乱の中国におけるひとりの墨家の生き様を描いた歴史アクション作品。
 大国に攻められ、滅亡か降伏かを迫られた小国の城に現れた墨家の男がひとり、10万の敵を相手に籠城戦を挑む。大軍を少数で撃退するが、民の心を掴んだことを疎まれて、恩を仇で返される。
 壮大なスケールで派手な戦闘シーン目立つこの作品であるが、ストーリー展開やアンディ・ラウやアン・ソンギらの演技も悪くない。抑制のきいた恋物語も、厚みを醸し出している。
 中国、韓国、香港、日本の共同プロジェクトによる映画化のこの作品の原作は、日本のコミックとのこと。良くできていると思う。
墨攻
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不都合な真実

 「一瞬米国大統領になった」元米国副大統領のアル・ゴアの講演シーンを中心に描いたドキュメンタリー作品。
 地球温暖化の「真実」を、刺激的だが目を逸らすことのできない多数の写真と映像で引き付け、深刻な警告を発し誤解のしようもない科学データを積み重ねていく。
 ただ、アル・ゴアおよびその家族のエピソードを挿入することにより、主題に厚みを持たせると同時に、本人の人間性を浮かび上がらせていることも、単なる講演シーンのドキュメンタリーではなくしている。
 内容は書籍とほぼ同じであるが、映像の持つ情報量の豊富さと、何よりアル・ゴアの発する言葉や身振りなどを含むプレゼン能力は、映画でしか味わうことはできない。プレゼン能力は政治家の基本スキルのひとつであるが、それに各種科学データを組み合わせることにより、特定の層の人間にはとても魅力的に受け入れることだろう。誰にでもマネのできる技ではないが、大いに参考になるだろう。
 政治的な活動と指摘する向きも多いが、体験すれば、自分自身で考えて判断し、行動する機会を与えてくれる。観るべし。
不都合な真実
映画日記
不都合な真実

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2007/02/02

どろろ

 手塚治虫の漫画をCGとワイヤーアクションで実写化したアクション作品。
 室町時代末期、天下を望む父親によって魔物に体を奪われた百鬼丸。魔物を倒すことで自分の体を取り戻していく百鬼丸が、戦で孤児となったこそ泥のどろろと共に、魔物退治の旅を続ける。ふたりの前に姿を見せた男は...
 手塚治虫の原作を全巻読破している訳ではないので、原作との比較はできないが、予想していたよりは良い出来だったと思う。しかし、TBSなどが参加する委員会制作の作品であるからか、スクリーンが狭く感じた。そのままハイビジョン放送するために、16:9にしていたのだろうか?せっかく劇場で観るのだから、もっとワイドで観たかった。
 原作どろろの世界観とイメージを守るためにも、もっとコントラストが強く、色彩が低く、粗っぽい画質で通してもらいたかった。特に、CGに力が入った魔物との闘いのシーンの画質は良すぎで残念。
 ラストシーンは続編を容易にイメージさせたが、漫画を原作にすることと併せて、昨今の邦画のパターンである。テレビ業界に踊らされてる気もするが、手塚作品を楽しむのも一興。
どろろ
映画日記

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2006/12/31

映画日記

 2006年に劇場で鑑賞した映画は20本でした。
 久々に20本の大台に乗りました。

犬神家の一族
硫黄島からの手紙
007/カジノ・ロワイヤル
ブラック・ダリア
父親たちの星条旗
ワールド・トレード・センター
UDON
グエムル-漢江の怪物-
ゲド戦記
ユナイテッド93
M:I:III
日本沈没
サイレントヒル
ダ・ヴィンチ・コード
デュエリスト
プロデューサーズ
Vフォー・ヴェンデッタ
ナイト・ウォッチ
ミュンヘン
ALWAYS 三丁目の夕日

映画日記

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2006/12/29

犬神家の一族

 巨匠市川崑監督と主演石坂浩二が30年前の作品を自らの手でリメイクしたミステリー。
 戦後の信州の大財閥の遺産相続にあたり、遺言状がトラブルを引き起こす。血で血を洗う呪われた相続争いは、謎が疑心暗鬼を呼び、エスカレートしていく。
 BSデジタルで旧作を観たばかりだったこともあり、リメイクと言うよりもコピーと呼びたくなるほどにそっくり。最近はやりのコミック原作のTVドラマを思い浮かべてしまった。時代設定やストーリーが同じでも良いのだが、リズムが余りにもゆっくりしており、観ていて疲れてしまった。キャストが悪いわけではないと思うのだが...
 91歳に求めるのは酷だが、せっかくリメイクするのだから、何かしらチャレンジして欲しかった。絵は美しいだけに残念。
犬神家の一族
映画日記

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2006/12/22

硫黄島からの手紙

 クリント・イーストウッドが日本からの視点で描く硫黄島で戦った男たちの物語。
 第二次世界大戦の末期、圧倒的に戦力で攻め寄せてくる米軍に対し、日本艦隊を失い、制空権もなくして孤立化した硫黄島を、本土の防波堤として少しでも足止めしようとする日本軍。絶滅を覚悟した闘いの中、玉砕を求めるものと生きて戦い続けることを求めるものとがせめぎ合う日本軍。
 これまでの日本軍将校像とは異なる栗林中将をヒーローとして描きながらも、戦争を賛美しない演出は、戦闘シーンや自決の様子を限りなくリアリティ高く、不快感を感じるほどに描かれる。クオリティの高い戦闘シーンと共に、この作品がハリウッド映画であることを思い出させてくれる。
 ほぼ全編日本語で演じられるこの作品は、これまでの日本を描いたハリウッド作品と比べると違和感が少なく、作品にのめり込むことができる。ただ、多くの人にとって、当時の状況と常識が分からず、この作品を深く理解することは難しいだろう。それでも、あの当時、戦場での出来事を少しでも知ることが大切である。
 狂気でしかない玉砕思想や戦略性のない日本軍が外国人の手によって描かれたことは、日本人にとって残念であり、貴重な機会でもある。一方、米国人にも繰り返される戦争を敵の視点から見るこの機会を大切にして欲しい作品である。
 きな臭くなりつつある今だからこそ、みんなに観て考えて欲しい作品。
硫黄島からの手紙
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2006/12/08

007/カジノ・ロワイヤル

 "00"(ダブル・オー)になりたての若きジェームズ・ボンドを描くアクション作品。
 これまでの非現実的で女たらしなだけの007像とは全く異なり、ワイルドでダークでアウトローなボンドが、世界を舞台に暴れ回る。
 これまでの007シリーズでは、その時々のアメリカの敵をやっつけるというシチュエーションがあったが、"911"以降の今回はテロリストが相手となる。つまり、これまでの国家間の闘いには一定のルールがあったのだと感じられるほど、何でもありの状況となっている今だからこそ、ジェームズ・ボンドにもアナーキーと感じさせるほどの迫力が必要なのかもしれない。
 得意の秘密兵器も様変わり。全て実現されているものばかり。例えばGoogle Earthの方が感動したとつっこみを入れたくなるほど。これも今という時代なのだろうか。
 若き日のジェームズ・ボンドを描いているのに、時代設定は"911"以降。矛盾を感じなくもないが、逆にリアリティが増し、生き生きとしている。
 ラストに向かって何度もサプライズが待ち受けており、多少眺めの上映時間も飽きることがない。ただ、タイトルにもあるカジノのシーンは冗長すぎる気がした。
 ボンドだけでなくボンドガール像もリニューアルした。次回作ではどんな舞台でなにを敵にするのだろうか。楽しみである。
007/カジノ・ロワイヤル
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2006/11/17

ブラック・ダリア

 「L.A.コンフィデンシャル」のジェームズ・エルロイの原作をブライアン・デ・パルマが映像化した猟奇殺人事件。
 1940年代のロサンジェルス、ふたりの元ボクサーの刑事が、口を切り裂かれ胴体で切断された女の惨死体の発見を契機に、様々な謎と人間模様に巻き込まれていく。謎が謎を呼び、登場人物の過去と今が絡み合う。
 天井に映る影で表現する殺人の様子など、デ・パルマらしい映像も見られ、意外な人間関係や驚きの真実などもあるが、謎解きに関してはモヤモヤが残った。
 各登場人物も魅力的であるが、さすがにヒラリー・スワンクはそのオーラが別格。
 予告編からの想像からは良い意味で裏切られたが、物語が複雑すぎて...
ブラック・ダリア
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2006/11/02

父親たちの星条旗

 クリント・イーストウッドが硫黄島での戦闘を米国からの視点で描いた作品。
 第二次世界大戦の末期、日本軍が死守する硫黄島に上陸、占領しようとする米国軍。重要拠点である擂鉢山を確保した米国軍兵士たちは、星条旗を掲げた。その星条旗を掲揚した六人の若き兵士たちの姿を写した一枚の写真が、米国政府によって戦時国債の販売促進キャンペーンに利用される。
 戦場である硫黄島と米国本土における状況と意識の相違。硫黄島の英雄と呼ばれる本土に呼び戻された三人の兵士たちの戸惑いと葛藤と苦悩。三人三様の戦後の人生。
 戦闘シーンのリアリティは高く、えぐいシーンも多い。「プライベート・ライアン」を思い浮かべたが、カット割りや映像処理など共通点も多い。ただ、「プライベート・ライアン」で経験した奇妙な戦闘酔いを感じる程ではなかった。
 戦争とは何か。何のために命をかけるのか。多くのことを考えさせられる作品。エンディングの写真は本物の迫力。
父親たちの星条旗
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2006/10/13

ワールド・トレード・センター

 オリバー・ストーンが描く2001年9月11日の実話に基づく感動人間ドラマ。
 倒壊したワールド・トレード・センターの瓦礫の下敷きとなったふたりの警察官が救出されるまでの長い時間。閉じこめられた警察官と、その家族と、救出に全力を尽くす仲間たち。地獄絵図の中で懸命に生き抜こうとする男たちと、安否が分からず不安に苛まされるものたちと、命をかけて救出しようとするものたち。その全てが感動を生み出す。
 オリバー・ストーンの作品だが、政治的メッセージはない。テロは悪ではあるが、この作品で描かれているのは、絶望の中で差し込む光、希望である。
 あの日の惨劇の場に放り込まれたかのような迫力あるリアルな映像ではあるが、それ以上の感動が味わえる。必見。
映画日記」」
映画日記

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2006/09/22

UDON

 「踊る…」シリーズのプロデューサが仕掛けるソールフードコメディ。
 コメディアンの夢破れた男が、ニューヨークから故郷の香川に戻り、ひょんなことからタウン誌で「うどん」のコラムを書き始めたら、日本中を巻き込む大ブームになった。そして...
 前半のブームを迎えるまでのドタバタ劇は、多彩なチョイ役と小ネタ満載で、うるさく感じるときも多々あり。特に、劇中劇は長すぎて苦痛。
 後半の人間ドラマは、期待していなかっただけにウルッとさせられるシーンもあったが、あの主演では仕方がない。父、姉、義兄の演技に多々救われている。
 それにしても、コニタンはスクリーンで観ても癒される存在である。もっとシリアスで演技力が求められる配役で観てみたい。
 ブームの功罪も描かれており、心温まり、しんみりするシーンもあるのだが、余りにもおちゃらけが酷くて、十分には楽しめなかった。
UDON
映画日記

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2006/09/15

グエムル-漢江の怪物-

 韓流モンスターパニックムービーに見せ掛けた人間ドラマ。
 漢江の河原敷きでの平和な日常が、出現したモンスターによって一瞬にしてパニックにかわる。多くの人の命が失われる中で、少女もさらわれてしまう。少女の死を悲しんでいた父と家族は、少女からの携帯電話を受けて、救助に向かう。警察にも追われながら、モンスターと闘い、少女を救い出そうとする家族は、絆をも深めていく。
 モンスターについて、日本やハリウッドのそれを期待して観るとかなり違和感を覚えるに違いない。出来は良いのだが、一言で言うとチャチ。往々にしてモンスターの姿は出し惜しみするのだが、あっさりと最初からその姿を見せてくれる。
 出演陣の演技は上質。モンスタームービーではあるが、人間ドラマが主役の作品であり、そのドラマが涙を誘う。でも、笑いや風刺も満載で、韓国政府や米国に対する批判は厳しい。
 普通のモンスタームービーとして観てはいけない。良質の人間ドラマとして観るべし。
グエムル-漢江の怪物-
映画日記

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2006/09/01

ゲド戦記

 宮崎駿監督の長男宮崎吾朗が初メガフォンのファンタジーアニメ作品。
 様々な異変を起こり始めた世界で、旅する偉大な魔法使い「大賢人」、父である国王を刺して出奔した王子、悲しい過去を持つ少女、永久の命を求めている魔女。
 感想を一言で表すと、分かり難い。時間が足りないとか言うレベルではない。原作を知らないのだが、もっと何かを伝える、分かってもらいたいという気持ちはないのだろうか。
 あえて線画らしさを狙っているようで、それはそれで良いのだが、絵に厚みが感じられない。遠近感がないし、構図や人のバランスも疑問点が多々あった。余りに気になる点が多く、登場人物に感情移入できなかった。
 ジブリ作品だが、過大な期待して観ると裏切られる。
ゲド戦記
映画日記

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2006/08/12

ユナイテッド93

 2001年9月11日のあの日の出来事を、管制センター、防空司令センター、そしてユナイテッド93便の機内での出来事を描いた意欲作。
 いつもの朝を迎えたはずの人々にとって、忘れることのできない悲劇が起きたあの日。悲劇の序章は不可思議な旅客機の挙動であったが、CNNでのインパクトのある映像を目にした途端、出来事は加速する。
 管制センターでの出来事は、登場人物の多くを本人が演じていることからも分かるように、かなり厳密に再現されていると思われる。たぶん、防空司令センターでも同様であろう。しかし、ユナイテッド93便での出来事については、生存者がいないので真実は分からない。多分に、機内電話などでのやりとりなどから再現されたシチュエーションから再構築された演技なのだろう。否、演技ではなく再現シミュレーションやドキュメンタリーなのかも知れない。真実は分からないのだから...
 この日に起きたこと、ユナイテッド93便の最期は分かっているだけに、最初から緊張と妙な興奮に襲われていた。観終わったときには、疲労感があったほどである。
 政治的・宗教的な主張やイデオロギーは描かれてなく、特別なメッセージもありません。心から楽しめるエンタメムービーではありませんが、体験する価値のある作品です。
ユナイテッド93
映画日記

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2006/08/11

M:I:III

 トム・クルーズ主演の人気シリーズの第三弾。
 現場を退き、スパイ組織の教官となっていた元切れ者エージェントが、幸せな結婚生活を楽しむはずだったのに、教え子の危機を救うために現役復帰する。舞台は、バチカンや上海。そして、今回の裏切り者は、あの...
 オープニングからいきなりインパクトのあるシーンを持ってきたのは面白い。しかし、時間をさかのぼる際には、シーンの切り替えなどで明示的に表現しないと、観客は混乱するのではないだろうか?ストーリー展開にもみるべき物はなく、映像的にも今ひとつの印象であった。アクションシーンも昔観たことのある物ばかり...何より、スパイ物なのに魅力的なアイテムが皆無。例の「5秒後に消滅するもの」も余りに貧弱。残念。
 敵役のフィリップ・シーモア・ホフマンの演技は良し。もっとどっしりとしたシーンでの演技対決があっても良かったのではないだろうか。これではただのジェットコースタームービーである。
 ハリウッドのエンタメムービーと考えれば、観ても良いかな?
M:I:III
映画日記

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2006/08/04

日本沈没

 1973年に映画化された小松左京のSF小説のリメイク作品。
 日本海溝での大規模な地殻変動により一年で日本列島の大部分が沈没するとの予測に前後して、大地震、火山の噴火、大津波が各地を襲う。政府は国民を外国に移民させようとするが、順調にはいかない。その混乱した極限状況下で、人は愛する人のために何ができるのだろうか...?
 前作を観ており、原作も読んだことがあるので、どうしても比較してしまうのだが、やはりリメイクは難しいと思う。個人的には、もう少し人物を描いて欲しいと思うほど、惨劇をただ淡々と描いているだけとの印象を持った。ストーリー展開は期待しないとしても、もっとドラマがないと、特殊効果に負けてしまっている。人物関係とか、危機管理とか、もっといろいろと描きようはあるとは思うのだが...
 初めて観る人にとっては、一大スペクタクル作品として楽しめるだろう。
日本沈没

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2006/07/28

サイレントヒル

 人気ゲームが映画化されたホラー・スプラッタームービー。
 夢遊病に冒された娘がつぶやいた言葉「サイレントヒル」。同じ名前の街がアメリカのウエストバージニア州にあったが、すでにゴーストタウンとなっていた。その廃墟で繰り広げられる非現実的な出来事。
 元となったゲームはコナム製だそうだが、全く知らないので、原作ゲームとの相違点は分からない。しかし、絵作りをみる限り、CGのテーストも、キャラクタの動きも、鳥瞰的な視点も、まさにコンピュータゲームらしいできであった。ただ、血が吹き出し、肉片が飛び散る映像表現は、刺激的。
 ストーリーを問うことは酷かもしれないが、魔女狩りを取り上げた妥当性など、理解しようとしながら観ると少しつらい。ただ、強い母の愛が貫かれているので、スプラッターシーンを補ってくれる。
 全く予備知識なきに観たが、意外に拾い物だった。
サイレントヒル

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2006/06/30

ダ・ヴィンチ・コード

 何かと話題のキリスト教史上最大の謎に迫った(?)フィクション作品。
 ルーブル美術館で発見された謎に満ちた館長の遺体。そのダイイングメッセージに導かれて明らかになる長らく秘匿されてきた秘密。その秘密は、カトリックを激怒させる衝撃的なものであった。
 ロン・ハワードの原作はあえて読まずに映画を観たが、このネタそのものは知っていたので、秀逸なエンターテイメント作品として楽しむことができた。ただ、キリスト教をよく知らない普通の日本人には、付いていくのが大変かもしれない。
 トム・ハンクスとジャン・レノの演技は渋く、オドレイ・トトゥも魅力的。イアン・マッケランをはじめとする脇役も素晴らしい。
 いわゆる「とんでも」ストーリーであることを知っていれば楽しめる。今年最大(?)の話題作であり、自分の目で確かめるべし
ダ・ヴィンチ・コード

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2006/05/04

デュエリスト

 朝鮮王朝時代の朝廷の権力争いを舞台にした韓流・アクション・ラブ・時代劇。
 偽金事件を潜入調査する若い女と、美しくも寂しげな眼差しの若き謎の男が出会い、敵として剣を交えながらも愛に落ちていくラブストーリー。カン・ドンウォンとハ・ジウォンが強烈な存在感と情緒豊かな感性を持った演技を魅せる。
 この作品の魅力は映像美。オープニングアクションが色彩と躍動感で押しまくっているのに対し、クライマックスでは、色彩を可能な限り削り取り、モノトーンの映像を白が飛ぶほどのハイコントラストで独特な映像美を描き出す。特に、光と影を越えた「ベタ」を使った映像は新鮮。スローもストップモーションも、カットの切り替えとの組み合わせで、面白い効果が出ている。
 一方、ラスト付近のまるで未亡人の喪服のような悲しくも美しい姿に見えるカットや、タンゴを思わせる赤と黒が剣を交えるシーンなど、見どころ満載。
 絵の作り込みや時代考証などに「?」が残るものの、それを補って余りある作品の出来は、劇場で観る価値あり。DVD画質でこの作品の美しさを再現できないと思われるので、ぜひ劇場で。
デュエリスト

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2006/05/01

プロデューサーズ

 大ヒットブロードウェイミュージカルを映画化した作品。
 一晩で大コケすると儲かる仕組みを見出した落ち目のプロデューサと小心者の会計士が、最低の脚本と演出家と出演者を揃えたにもかかわらず、想定外に大ヒットしてしまった。なんともクラシカルなドタバタ劇。
 ミュージカル全盛期の古き良き時代の雰囲気を、上手く映像化している。下ネタ満載のコメディであるが、最初から飛ばしまくるため、日本の観客は置いていかれるのではないか。個人的には、ユマ・サーマンが登場したところで、何とか追いつけた感じ。
 本作は、1968年のメル・ブルックス監督のコメディ映画をブロードウェイでミュージカル化して大ヒットした作品を映画化したもの。正に、メル・ブルックスのための作品であるとも言える。エンディングは最後まで観て、メル・ブルックスに逢おう。
プロデューサーズ

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2006/04/29

Vフォー・ヴェンデッタ

 全体主義国家となった近未来の英国における管理社会を打ち倒そうとするコミックの映像化作品。
 第三次世界大戦後、アメリカ合衆国を植民地化した英国の首都ロンドンを舞台に、仮面の男Vが革命を起こす。それに巻き込まれながらも、自分自身を見い出していく少女。原作では16歳の少女を演じるナタリー・ポートマンは、丸坊主になったことだけが注目されているが、重要な役割を演じている。
 国家間の戦争よりもテロとの闘いが深刻化している現在において、革命を賛美しているともいえるこの作品には、考えされられることが多かった。
 チャイコフスキーの1812年序曲をBGMに起きる大爆破シーンは、本来指定されている大砲の音の代わりに爆破や花火の音が効果的に使われ、オリジナルを知っている人ほど、感動するだろう。個人的には、初めて買ったCDのひとつがこの派手なクラシックで、本物の大砲の音を入れたものだったので、スピーカを壊さないように聞いたことを思い出しました。
 マトリックスのウォシャウスキー兄弟の製作・脚本に課題の期待をするのは可哀想だが、英国コミックを見い出して、これまでにない雰囲気のエンタテイメントとなっている。
Vフォー・ヴェンデッタ

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2006/04/14

ナイト・ウォッチ

 特殊効果が話題のロシア発のダーク・ファンタジー。
 現代のモスクワを舞台に、光の勢力と闇の勢力がぶつかる。ロシア版バンパイア戦争。
 英語のナレーションから始まるのに、ロシア語の台詞に英語と日本語の字幕が付く不思議な感じ。英語の字幕には色々と効果が付けられており、FOXから供給されていることからも、かなりのフリークがプッシュしているのだろうか?
 残念ながら、展開が分かり難く、入り込めなかった。
ナイト・ウォッチ

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2006/02/17

ミュンヘン

 ミュンヘン・オリンピックの選手村で起きたテロとその後をスティーブン・スピルバーグが描いた意欲作。
 1972年のミュンヘン・オリンピックの選手村のイスラエル人選手団をパレスチナ・ゲリラ「ブラック・セプテンバー」が襲撃する。その後、イスラエル政府は、報復としてパレスチナ人を暗殺していく。
 イスラエル側からもパレスチナ側も非難されるであろう題材を、一流のエンターテイメントに仕上げたスピルバーグの手腕は流石。一級品のサスペンスとして楽しむのも良し、ひとりの男の心の移ろいに心を痛めるも良し。宇宙戦争の出来に心配していたのですが、杞憂だったようです。
 大変重いテーマをシリアスかつリアルに描いているので、無心に楽しむことはできないかも知れないが、こんな時代に生きているからこそ、観るべし。
ミュンヘン

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2006/01/27

ALWAYS 三丁目の夕日

 東京タワーが建てられた1958年の東京の下町を舞台に、古き良き時代をノスタルジックに描く作品。
 昭和の下町の人情溢れる人々の生活が、CGも用いて見事に描かれている。演技も「ベタ」な人情喜劇であり、今では希薄となってきた家族の絆の強さが印象的である。
 配役も悪くなく、堀北真希のみずみずしい演技も良い。しかし、何より子役陣が良い。泣かされる。
 当時を再現した映像はかなり忠実ではあるが、残念ながら上野駅のCGで描かれた人物の出来の悪さは最悪。
 当時を知る人も知らない人も、見る価値あり。
ALWAYS 三丁目の夕日

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2005/12/29

Mr.&Mrs.スミス

 正体を隠して結婚した夫婦が繰り広げるアクション作品。
 コロンビアで運命的に出逢った男女が恋に落ちて即時結婚。素性を隠したまま結婚したふたりは、いずれも超一流の暗殺者。そのふたりが互いの正体を知ったとき、血で血を洗う危険な夫婦喧嘩が始まった。
 ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーは最適な配役。本能のまま直感で行動するホットな旦那と、緻密な計画に従って確実に実行するクールな奥さんを、見事に演じている。撮影現場も楽しかったのであろうことが感じ取れるほど。そのことが画面から溢れ出ているからこそ、一流のエンターテイメント作品となっている。
 互いに隠し事をされたことから始まった夫婦喧嘩は、直ぐにエスカレートして殺し合いとなる。しかし、エスカレートすればするほど、プロ同士の真剣勝負を楽しんでいる様子すらみられる。いろいろと突っ込めるところはあるが、そんなものは関係ない。
 ここまで徹底してドンパチやれば、現実味など無関係。楽しむべし。
Mr.&Mrs.スミス

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2005/12/22

ロード・オブ・ウォー

 「戦争の王様」の異名を持つ武器商人の半生を描く真実に基づく物語。
 ソビエト連邦ウクライナからアメリカへ移った移民が、ソビエト連邦の崩壊後のソビエト軍から大量の武器を入手し、世界中に売りさばく武器商人へと成り上がっていく。
 主演のニコラス・ケイジの回顧録のように始まったこの作品。サイドストーリーがないためか、ただただ説明的に進んでいく。武器商人の実態や手口には興味深いものがあるが、それだけ。
 すこし、期待はずれだった。
ロード・オブ・ウォー

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2005/12/16

キングコング

 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督の手による古典「キング・コング」のリメイク作品。
 大恐慌の傷の癒えない1930年代のニューヨークで終わりを迎える美女と野獣の物語。
 膨大な資金を投入したCGが話題の本作であるが、上映時間3時間18分は流石に長い。退屈になる訳ではないが、冗長なシーンも多々観られ、絶対に必要なシーン以外はもっと削るべきではなかっただろうか。また、編集に難あり。せっかく大金を使って絵作りしているのだから、もっと丁寧に編集すべきである。
 さらに、絵作りにも丁寧さが求められる。例えば、コングの「毛」はCGの表現力の売りのハズであり、決して悪くはないが、美女のブランドと同じようにコングの剛毛がなびいたり、カットによって毛が全く動かなかったりで、大いに残念であった。
 キング・コングというひとつの「嘘」に現実味を持たせるためには、それを取り巻く全てのものに不自然さがあってはいけないと思う。あまりにも非現実的な演出が多く、気になって仕方なかった。
 配役も癖のある面々を揃え、悪くはない。ただ、個人的には、美女のアン役には、もっとフレッシュで無名な新人を当てて欲しかった。決してナオミ・ワッツの出来が悪いわけではなかったが、安心して観られ過ぎるところが少しだけ残念。
 何も考えず、楽しんで観るべし。
キング・コング

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2005/11/11

ブラザーズ・グリム

 テリー・ギリアム監督がグリム兄弟をモデルにしたファンタジー作品。
 19世紀のフランスに占領されたドイツを舞台に、偽りの魔物退治の詐欺を働いていたグリム兄弟が本物の魔女に出会う。本物を相手に失踪した少女たちを救うことができるのか?
 赤ずきん、ヘンゼルとグレーテル、シンデレラなどを思わせるシーンも出てくるが、そのエピソードが描かれているわけではない。スパイス程度の扱いである。
 マット・デイモンがウィル・グリムを演じていることが話題のひとつであるが、若々しさもなければ格好良さもなく、どちらかと言えばダサイ感じ。一方、モニカ・ベルッチの妖艶な美しさは元女王の魔女役にぴったり。
ブラザーズ・グリム

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2005/10/07

シン・シティ

 斬新な映像美が話題のアメコミ映画。
 映像は、モノクロに衣服や口紅などの印象的な一部だけに単色を彩色した斬新なもので、そのこだわった作り込みぶりだけでも見る価値あり。
 原作者のフランク・ミラーとロバート・ロドリゲスの共同監督にワンシーンだけのクエンティン・タランティーノが絡んでくれば、普通の映画になるはずもないことは分かる。また、ブルース・ウィルスやミッキー・ローク、ベニチオ・デル・トロなどそうそうたる出演者が競演している。
 鑑賞後に分かったことだが、ストーリーはみっつのエピソードから構成されており、独立した物語である。ただ、説明もなければ、舞台が同じ都市であり、一部の登場人物が重なっていることから、区別は付けられなかった。と言うよりも、ストーリーが十分に把握できず、多少イライラしながら観ていた。
 モノクロであるが故にグロさは多少和らいでいるものの、血が飛び散るだけでなく、手足や頭までも切断されて飛び交う。アメコミと思って割り切るべきだろうが...
 ストーリーにはこだわらず、映像美を楽しむ作品。
シン・シティ

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2005/09/16

容疑者 室井慎次

 踊るシリーズからのスピンオフ企画第二弾。
 室井管理官の逮捕からスタート。踊るシリーズとは雰囲気が異なり、シリアスなストーリーである。舞台はお台場ではなく新宿で、現場も新しい人間ばかり。また、もうひとりの主人公は、警察官ではなく女弁護士。
 舞台は警察の他に検察や弁護士まで広がっているが、警察は現場よりも管理職の出世競争や派閥争いを描いているが、迫力は今ひとつ。注目を集めている作品であるので、何かひとつでも良いので、問題提起をして欲しかった。
 逮捕という喪失から始まり、新人女性弁護士の成長を描くという定番のストーリーであるが、それだけに安心してみることができる。最後は、擬似的な法廷劇ぽいシーンとなるが、中途半端。真相を知るともっと落胆。
 もちろん、おなじみの方々もゲスト的に出演。和久さんも映画の中では健在でした。
容疑者 室井慎次

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2005/09/03

Be Cool ビー・クール

 ジョン・トラボルタとユマ・サーマンによる音楽業界の裏側を描いた作品。
 前作GET SHORTYで、取り立て屋から映画プロデューサとして成功したジョン・トラボルタ演じるチリが、音楽業界に殴り込み。ユマ・サーマン演じるインディーズ・レーベルの社長イーディと共に、クリスティナ・ミリアン演じる無名のディーバ:リンダを一躍トップへと駆け上らせる。
 オープニングからStain Aliveの音楽と共にジョン・トラボルタのアップを見せる。まるで映画と音楽の情報番組かと思わせるほどの、こだわりの台詞。エアロ・スミスをはじめ多くの有名人が、本人役などで登場。それだけでも豪華な作品。
 残念ながら前作のGET SHORTYを観ていないのだが、それでも十分楽しめる作品。前作を観ていると、きっともっと楽しめたことだろう。
 作品の中で象徴的に登場する車がホンダのハイブリッド車インサイト。アカデミー賞などでトヨタのプリウスで乗り付ける様を皮肉っているのか、トレンドを表現しているのか。いずれにしても、ホンダにとっては効果的な広告となっている。
 一種のクライム・ムービーとの言えるが、コメディでもある。お薦め。
Be Cool ビー・クール

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2005/08/15

皇帝ペンギン

 氷の大陸南極で命をかけて命を紡ぎ続ける皇帝ペンギンの生態を描いたフランス産のドキュメンタリー作品。
 繁殖のために長距離を行進する。生きるために行進する。子を授かり育てていくために行進する。新しい命のために行進する。命をつなぎ続けるために行進する。
 行進中に力尽き、卵から孵ることなく、寒さや他の生物の補食のために命を失う。生きることは死との闘いであり、常に生命の危険にさらされている。現代の人間が忘れている自然の摂理を思い出させてくれる。
 どうやって夫婦は再会できるのだろうか?親子を見分ける方法は何だろうか。次々に色々な疑問が出てきます。
 この作品は、ドキュメンタリーなのでしょうか?物語があり、台詞もあります。もちろん、 作り上げられたストーリーに沿って作られた訳ではないでしょうが、意図的な演出を強く感じました。ドキュメンタリーでなければ問題ないのですが、サウンドエフェクトと思ってしまう音にも違和感を感じました。見えるものに音があるのは当然として、見えないものの音が全く聞こえないと感じることは、気にしすぎなのでしょうか?これも、ドキュメンタリーでなければ、何とも感じないことですが...自然の営みというものは、人の小手先の演出や効果は必要ないと考えています。
 多分、生まれて初めての吹き替え版でした。ドキュメンタリーなので字幕にこだわる必要はなかったのですが、このペンギンたちには台詞がありました。どうでも良いことですが...
 厳しい自然のサバイバルのシーンもあり、厳しい現実を直視させてくれますが、血は見せません。子どもにも安心かも知れません。
皇帝ペンギン

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2005/08/12

亡国のイージス

 福井晴敏原作の小説を、そうそうたるベテラン俳優陣を競演させ映像化した作品。
 確か3年ほど前に原作小説を読了したので、ストーリー展開や人物関係は適度に忘れながらも、ポイントは覚えていたので、ちょうど良かったのかも知れない。ただ、観ているうちに次の展開は思い出してしまうので、初読のインパクトはなかった。多分、小説のエピソードのほとんどは映像化しているように思われるが、あの小説の分量を127分間の映画に納めるには、色々と犠牲になってしまっている。登場人物の心の動きなど、もっと描き込んでもらいたいところもあったが、多少、欲張って映像化したのかも知れない。
 俳優陣は、豪華の一言。ただ、期待通りの演技であり、もう少し期待を良い意味で裏切るような冒険心のある配役が欲しかった。その意味では、勝地涼とチェ・ミンソは良い意味で新鮮であったが、もう少し演技する機会を作ってあげたかった。小説から想像していた人物像と比較してみると、如月行はもう少し子どもっぽい表情を持っていても良かったのではないか。仙石先任伍長はもっと年配のイメージを持っていたが、年齢的には良いのかも知れない。ヨンファは少し鋭すぎるイメージで、スパイとしては目立ちすぎると思う。宮津副長はもう少し自分の意志の強い人物を想像していたが、演技自体は良かったと思う。
 自衛隊の全面協力が得られただけあって、本物ならではの迫力ある映像が見られた。ただ、その分、セットや特殊効果、合成の甘さが逆に目立ってしまったのが残念。ただ、編集は頑張っていたように思う。
 小説では絵が重要な小道具となっており、それは映画でも同様であるが、もっとも大切なラストシーンでの如月のものと思われる絵には、期待が大きかっただけに落胆した。上手い下手ではなく、もっと生命感あふれる力を感じさせる絵を思い浮かべていただけに、その絵のタッチにも主題にも、ただただ残念だった。
 スケールを感じさせる娯楽作品としては日本映画としては良い方になるが、今の時代だからこそのメッセージが今ひとつ伝わってこなかったことは残念。
亡国のイージス

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2005/07/09

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

 ジョージ・ルーカスによる大ヒットサーガのシリーズ最終作品。
 伝説が終結した。最終作品ではあるが、エピソード1,2とエピソード4〜6をつなぐ役割を有していることから、終わったと言うよりも、上手にバトンを渡したという感想である。これまで矛盾を感じていたところや様々な複線が、スッキリと解決している。個人的には、あまりにも全てをつなぎ合わせてしまったような感じがした。
 とは言え、ストーリー展開も編集も上手い。音響効果も音楽の使い方も流石である。あえて言えば、目玉のひとつである映像の特殊効果がうるさい感じがした。スクリーンの全面のあらゆるところを細かく描きすぎていると思う。もう少し、見せたいところを選択と集中させ、それ以外のところに遊びを加えられたイメージ作りが好みである。遠景を少しぼかすだけでも、その不明瞭さが様々な想像力を生み出し、作品に深みを与えると思うのだが...最新の不可能がなくなった映像技術の弊害のひとつではないか?今後の課題であろう。
 「宇宙戦争」でもそうであったが、「暗い」イメージが残った。「悪」の象徴であるダース・ベイダーの誕生がテーマであるとは言え、暗すぎる。まるで「悪」を賞賛しているのかと誤解してしまいそうな暗いに描かれている。それとも、勧善懲悪が成立しない世の中となったのであろうか?台詞の中でも、ジェダイとシスの相違点が語られているが、違いはないと言うべきなのであろうか?それとも...
 それでも「明」の部分も描かれており、「A New Hope」につながる最後のシーンには、これまでの様々なシーンを思い起こさせてくれた。余計な台詞やシーンもなく、とても良かったと思う。
 DVDが発売されれば、エピソード4〜6、1〜3の順番に通して観たいと思った。まだまだ、楽しむことはできるが、是非とも劇場で観ておきたい。
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

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2005/07/08

宇宙戦争

 H.G.ウェルズ原作で、映画としてもリメイクとなる、スティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演のSFサスペンス。
 タイトルから受けるイメージとは異なり、未曾有の危機に直面した今時の複雑な家族が、苦難に立ち向かい、成長していくドラマである。むしろ、SFらしき描写や説明はほとんどなく、そのまま戦争やテロに置き換えても違和感なく成立するであろう。それが狙いなのかも知れないが、満足できる内容ではなかった。
 内容も救いがないほど暗いのだが、画面がとにかく暗い。ストーリーは、お気楽でご都合主義的な展開が多く、必然性がほとんどなく、深みがない。何より、編集に疑問あり。まるでコマが飛んだかの様な場面の切り替えが幾度もあり、気になって仕方なかった。
 最近のハリウッド作品に多く見られるように、9・11以降の暗さは異常。限りなく強い悪に為す術もなく、救いもない。試練から学ぶことも、希望も見えてこない。アメリカの世情を映し出していると言えばその通りなのかも知れないが、リメイクやシリーズものばかりの最近の状況は、ハリウッド映画界を滅ぼしかねない気がする。
宇宙戦争

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2005/05/21

交渉人 真下正義

 人気ドラマでもあり、映画でも成功しているシリーズのスピンオフ企画映画。
 主人公の「警視庁初の交渉人」は何とも頼りなげではあるが、「ご指名」で挑戦してきた「弾丸ライナー」の挑戦を受ける。時はクリスマスイブ。地下鉄の乗客が事実上人質となる中、犯人と交渉人との「ゲーム」が始まる。
 ストーリーや謎解きに特別のサプライズはないが、テンポのある展開といつもの登場人物を散りばめた笑えるシーンによって、140分間もさほど長く感じることはない。これもしっかりとした本家を持つスピンオフ企画のメリットか?ただ、主人公のためか、予算不足のためか、画面からは安っぽさが感じられた。
 これらを救っているのが、助演陣。特に総合指令長役の國村隼の演技と旬の寺島進の出来が良かった。言い換えると、オリジナルキャストにはそれほどの魅力は感じられなかった。
 「踊る」シリーズには、TVシリーズの頃から様々なメッセージが込められていた。それは、現場とキャリアの不思議な関係であり、猟奇的連続殺人とネゴシエーター(プロファイラーとの混同?)の戦いであったと思う。つまり、その時代の犯罪や組織をバックグラウンドで描いていることが、映画の深みを作り出していくのではないか?
 今だからこそ、「ネットフォース」の様なネット犯罪に本格的に対処していく警察組織を提起してみるくらいの先取り感が欲しかった。また、組織論で言えば、頼りない上司を抱えた組織の成功術を台詞の端々に散りばめることくらいはできたのではないだろうか。確かにNo.2の係長までもが心許ないので、難しいだろうが...
 大ヒット映画であるからこそ、こんな時代の先を見通したメッセージを込めて欲しかった。
交渉人 真下正義

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2004/08/12

ディープ・ブルー

 BBCのスタッフによる海を舞台にした美しいドラマ。
 単なる美しさだけでなく、弱肉強食による食物連鎖もありのまま描いており、現実も忘れていない。「ニモ」を期待して観にきた家族連れには少し刺激的か?
 様々な生物による有名なシーンのほとんどが含まれており、必見。
 やはり、大きなスクリーンで観ておきたい。

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2004/06/05

ビッグ・フィッシュ

 ティム・バートン監督によるロマンチックなフェアリー・テール。
 父が語り続ける彼の人生は、おとぎ話というよりもホラ話。初めて聞く人にとっては心和む昔話であるが、聞かされ続けてきた家族にとっては迷惑なだけ。その父の最期が近づいたとき、父の本当の人生を探そうとする息子が出会った真実とは?
 描かれるファンタジーな世界は、正にティム・バートンの真骨頂であるが、今回は少しだけ異なる。「シザー・ハンズ」、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」、「スリーピー・ホロウ」などの毒を含むおどろおどろしい闇の雰囲気が全く感じられない。明るく、そして爽やかさを感じさせる世界で広がっている。
 ユアン・マクレガーをはじめとするキャスティングが秀逸。過去と現在のシーンが行き来するが、すぐに同一人物を識別できた。かなり贅沢なキャスティングでもある。
 幻想と現実の混在するファンタジーな世界が協調される本作であるが、描かれているのは父と息子の対立と和解の物語。幾世代にも語り継がれていくホラ話に涙して欲しい。

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2004/02/27

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還

 J.R.R.トールキンの長編ファンタジー「指輪物語」の映像化三部作の最終作。
 エルフやドワーフ、ホビット、ゴラム、オークなどが繰り広げる壮大な物語。様々な物語は、すべてが集結へと。もちろん、フロドの指輪を捨てる物語も最終段階へ。
 オープニングに、最初はちょっと違和感を感じるかもしれないが、重要人物の過去が明らかとなる。このエピソードひとつにもたくさんのことが詰め込まれている。
 大人数での戦闘シーンがひとつの売りだが、スターウォーズのそれを思い出してしまった。CGなどの特殊効果が話題となっているが、全作と比べると手が抜かれているのか、アラが目立った。
 3時間20分を越える上映時間は長く感じることはないが、疲れてしまう。座り心地の良い椅子の劇場を選びたいが、思わず眠たくなってしまうかもしれないところが難点かも。

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